社会の持続的な発展を目指したグリーンイノベーションが注目を集めています。このグリーンイノベーションにおける光エネルギー変換技術のいくつかは、日本写真学会で長年取り組んできた感光材料の研究が発端と言えます。そこで、第17回セミナーでは、「グリーンイノベーション ―写真から光エネルギー変換へ― 」と題して、近年グリーンイノベーションとして注目を集めている色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池ならびに人工光合成に関する基礎から応用展開までを俯瞰的に理解することを目的とした国内第一線の先生方によるオンラインセミナーを企画いたしました。光機能性材料に関連する研究者の良い情報交換の場として貢献いたしたく、多数の方々のご参加をお願いいたします。
【日 時】:2021年12月1日(水) 9時30分~16時00分
【会 場】:オンライン開催
【主 催】:(一社)日本写真学会 光機能性材料研究会
【協 賛】:日本化学会、応用物理学会、高分子学会、光化学協会、電気化学会、日本表面科学会、有機合成化学協会、日本光学会、照明学会、日本色彩学会、電気学会、色材協会、電子情報通信学会、映像情報メデイア学会、画像電子学会、日本画像学会、日本印刷学会(予定)
9:25-9:30 開会あいさつ
セミナー実行委員
9:30-11:00 基調講演 色素増感太陽電池からハロゲン化ペロブスカイト太陽電池へ―最近の研究動向と今後の展望―
電気通信大学 : 早瀬 修二
塗布プロセスで作製できるプリンタブル太陽電池は高効率・フレキシブル・軽量でありながら、高効率を達成できる次世代太陽電池として注目を集めている。その代表例は有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池、ハロゲン化ペロブスカイト太陽電池である。色素増感太陽電池は室内使用として実用化されている。ハロゲン化ペロブスカイト太陽電池は色素増感太陽電池の全固体化研究から誕生した画期的な太陽電池であるが、作製方法は有機薄膜太陽電池に類似しており、両者の技術を融合させた新太陽電池である。講演では、色素増感太陽電池から全固体色素増感太陽電池、そしてペロブスカイト太陽電池への研究の継承、ペロブスカイト太陽電池研究の現状(高効率化、高耐久性化、鉛フリー化、タンデム化)とそれらの今後について展望する。
11:00-12:00 講演1 写真感光材料から光エネルギー変換へ
日本写真学会 : 谷 忠昭
光エネルギー変換デバイスには写真感光材料に由来するものが多く、本多藤嶋効果に端を発する水の光分解による水素製造、色素増感太陽電池、ペロブスカイト太陽電池、さらには写真用有機素材から展開された有機薄膜太陽電池がある。本講演では技術的共通点を介した横断的な分析からこれらの特徴を明らかにし、性能改良の施策を探る。
12:00-13:00 (昼休み)
13:00-14:00 講演2 高分子太陽電池の高効率化を実現する新戦略
京都大学 : 大北 英生
高分子太陽電池のエネルギー変換効率は近年急速に向上しており、18%を超える値が報告されるまでに至っている。本講演では、高効率化を実現する上でブレークスルーとなった近赤外域における高効率な電荷生成の実現ならびに低光エネルギー損失による開放電圧の向上に関する最近の研究事例を紹介する。
14:00-15:00 講演3 固体型色素増感太陽電池の開発:室内光高出力化と意匠性付与
株式会社リコー : 田中 裕二
昨今のコロナ禍で注目を集めるCO2センサーや、温湿度照度センサー等の環境センシング端末の自立電源に期待されている環境発電素子として、固体型色素増感太陽電池モジュールを販売開始した。講演では室内照明における高出力化と、意匠性(カラフル&シースルー化)付与技術を紹介する。
15:00-16:00 講演4 光触媒を利用したCO2フリー水素の製造 ~NEDO人工光合成プロジェクトの研究成果と社会実装への道筋~
人工光合成化学プロセス技術研究組合: 西見 大成
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、様々な技術が提案され、社会実装に向けた取り組みが始まりつつある。本講演では、太陽光を利用した技術を俯瞰するとともに、NEDO人工光合成プロジェクト(FY2012~FY2021)で得られている「光触媒を利用したCO2フリー水素の製造」に関する研究成果と社会実装への道筋について解説する。
16:00 閉会あいさつ
セミナー実行委員
【参 加 費】:
日本写真学会および協賛学協会会員・・・5,000円
非会員・・・・・8,000円
学生会員・・・1,000円 学生非会員・・・2,000円
賛助会員の方の参加費は会員参加費と同一です.
非会員の方へ:参加申込前に入会手続きを取って頂ければ,会員価格での参加が可能となります。(入会申込は こちら から)
Onlineセミナーの為、参加申込(登録)と参加費支払は、日本写真学会会員システム(オンライン)から事前に行ってください。
●申込手順
●参加申込に関する詳細・利用ガイド
※行動規範詳細および学会ホームページの利用ガイドの確認はこちらでお願いします。
【申込のフロー(会員)】
【申込フロー】
【参加申込締切】 2021年11月19日(金)
【連絡先】 日本写真学会事務局 光機能性材料セミナー係
〒164-8678 東京都中野区本町2-9-5 東京工芸大学内
E-mail:info@spij.jp Tel:03-3373-0724 Fax:03-3299-5887